使用キット
レインボウエッグ製レジンキャストキット
「シュトラール軍大型2足歩行無人指揮機 KÖNIGS-KRÖTE 冬季仕様」
制作工程を載せていきます。
大型レジンキャストなので難度はだいぶ高めですが、いろいろ経験した小技を紹介してきます。
基本的にプラモデルにも使える小技ばかりで、もちろんこれからレジンキットを作ってみたい人にも参考になってくれれば幸いです。
大原則として、 「きっとリカバリーできるだろう」と思いながらドンドン進めていきます。
流通量が少なく一度失敗したら終わりのような気がするとビビってしまいますが、そんなことより手を動かすことが大切です。
マシーネンクリーガーのバンドデシネという本に描かれているケーニヒスクレーテが表紙を飾っています。
箱開けてないのに、すでにかっこよすぎですね。
開梱
丁寧に梱包されています。
塗装カードや塗装写真に想像に胸を踊らせながら、プラパイプやら真鍮線やらパイプなどを見て、ワクワクする時間です。
ポイント
レジンキャストは手作りに近いため、この時点でパーツが不足していないか確認します
もし、不足があればメールなどで連絡しましょう
購入から期間が空いてしまうと対応できない場合があるため、すぐに確認したほうがいいです
洗浄
パーツを沈めるための鍋で様子よくわからないですが、食器用洗剤でパーツを洗ってます。
浸け置きして24時間ほど寝かせれば十分です。
細かいパーツがを流してしまわないように、仕事終わりのクタクタの状態では絶対にやめたほうが良いです。
この工程をすることで、塗装がしっかりってくれるようになります。
ここまで買ってから1日目で到達したら、間違いなく積みプラにはならないです。
ポイント
剥離剤という型からレジンを取りやすくするためのものが、すべてのパーツに付着してます。
なので、食器用洗剤で写真のように一晩漬けておきます。
プラモデルへの応用
古いキットや海外製のものは剥離剤がついていることがあるので同じ方法で落とすことができます。
茹でる
まじです。鍋で茹でます。
レジンは型から外して冷めていく段階で少し変形してしまうことがあるそうです。
ポイント
鍋で柔らかくなるまで茹でます。
割り箸で触って柔らかくなったらそっとトレイに出してゆっくり自然冷却させてあげます。
この工程を行うことで、本来の形状に正確に戻ってくれます。
パーツ処理
レジンは市販プラキットとは異なり、バリやパーティングラインが強くでます。
バリは刃を新しくしたアートナイフで削ぎ落とします。
パーティングラインの大きいところはスポンジヤスリ、セラミックカンナで削ります。
奥まったところのパーティングラインは古いアートナイフでカンナがけして削っていきます。
ポイント
レジンキットはこの工程がだいぶ多いです。
一気にやってしまったほうが時間短縮になってくれると思います。
エグッてしまってもサフチェックのときにラッカーパテでリカバリーできるので楽な気持ちでできます。
プラモデルへの応用
最新のキットでも目立たないがパーティングラインはあります。同様の方法で削り取れます。
ただ、目立たないので時間をかけた分だけカッコよくなるというものでもないので省略してもOKです。
パーツの接着
パーツを組み合わせるときには、プラ用の接触剤ではくっついてはくれないので瞬間接着剤を使います。
瞬間接着剤は引っ張りには強いですが、横のチカラには弱いため真鍮線を刺して軸打ちを行い、頑丈に組み立てていきます。
大きいパーツは写真のようにホームセンターで万力を買ってきてガチガチに固めればいい感じです。
万力がパーツをエグッてしまわないようにゴム板を敷いてます。
ポイント
接着には瞬間接着剤を使用します。
大物のパーツは自重がかかるので真鍮線で軸打ちをして頑丈に補強します。
軽いパーツは軸打ちなしでもOKです。
プラモデルへの応用
軸打ちできるようになれば、関節が折れたときなど同じようにリカバーできるようになれます。
もちろん接着はプラ用の接着剤を使ってもOKです。
合わせ目消し
合わせ目消しは、タミヤのエピポキシパテをを使って合わせ目を消していきます。
使うコツは、エタノールを指に塗ってパテと伸ばしていくことでキレイに整形できます。
形を盛って造形シていく手法を塑像(そぞう)といい、盛ってから削っていく彫刻とは逆の手法です。
十分に完全に硬化したあと、スポンジヤスリなどで表面を整えていきます。
エタノールですでに形にしているので、だいぶこの表面処理の工程の負担は減ります。
ポイント
プラキットのように接着剤で合わせ目消しができないので、この工程は必要です。
エタノールを使うことで曲面のコントロールがしやすいです。
プラモデルへの応用
エポキシパテはプラスチックにも食いついてくれるので、全く同様に制作していけます。
サフチェック
サーフェイサーを吹いて、傷や違和感があるような凸凹などを修正していきます。
傷や凹みなどはラッカーパテで盛って乾燥後、削ります。凸部分はスポンジヤスリなどで削ります。
そうして一様な面が修正できたかなー。ってなったら 再度サーフェイサーを吹いて表面の状態を確認します。
サーフェイサーを吹く前に、真鍮線やスプリングパイプなどの金属部分にはプライマーを塗っておきましょう。
そーすることでサーフェイサーがガッチリ金属部分にも食いついてくれるようになります。
散髪屋行った翌日学校行きたくない理論やで。誰も気にしてへんって。
だからそこそこでOKやで。
この写真はサフチェックが完了した状態です。
令和で一番の達成感やったわ
ポイント
レジンはストレートに組んだとしても色々手が入っているので、このチェックに結構時間かかります。
組み立てながらサフチェックを並行でやっていくのが苦行になりにくいポイントです。
プラモデルへの応用
ゲート処理や合わせ目消しなどで意外と思っても見なかったところが傷になっていることがあります。
なので簡単でも良いので一度この工程をすれば完成度がぐっと上がります。
下地色サーフェイサー
どんな場面で使われている兵器なのかを想像して下地の色を決めましょう。
オススメは黒やマホガニーなどの暗い色です。
物理的に筆で濡れないところや、塗り忘れたとしても暗色ならごまかせるからです。
また、暗い色から立ち上げていくことで重厚感が増してくれます。
ポイント
組み立てて接着してしまうと、筆もスプレーも届かない箇所が出てきそうなところには、
先に暗色のサーフェイサーを吹いてあげて、組み立てていくといいです。
プラモデルへの応用
プラスチックは透ける素材のため暗色を塗るのがオススメです。
もちろん、グレーでも白を選んだとしても、その上に銀などの光を反射する色を乗せて、透け感を無くす方法もありです。
大切なこと
これらのすべての工程は順番が異なってても問題ないです。
1つ1つの工程を完璧に作っていこうとすると、楽しくなくなり疲れてしまうし、1つのミスで制作を投げ出したくなります。
あとからいくらでも修正することはできます。
ポイント
- 小さいパーツが洗浄や煮沸によって無くなってほしくないときは、組み立てた後にやってもいいし。
- パーティングラインの処理もサーフェイサーを吹いた後でいくらでもできます。
- 組み立てながらサフチェックすることで、乾燥時間をうまくコントロールできるし。
- サフチェックしたあとに合わせ目を発見して、修正してもOKです。
- 組み立てた後に、煮沸してパーツの歪みを補正することだってできます。
この写真は、組み立てながらサフチェックをして、凹みをラッカーパテで充填して、ついでに紫の下地塗装もやってる状態です。
今回の制作で一番ダイナミックな写真です。
このサイトで最も伝えたいことの一つですが
雑誌や本などの教科書のように1つ1つの工程を完璧にして、工場のラインのように模型を作っていくことは、作業に対して億劫になり楽しくなくなります。
本当にいくらでもやり直しができます。
それが体験できれば、いくらでも高難度のレジンキットや古いプラモデルを楽しむことができます。