マシーネンクリーガーの工作テクニックを完全網羅します
マシーネンクリーガーを始めようとしたときに、どんな模型テクニックが要求されるのかわかりませんよね?
実は、初歩的な模型テクニックのみを組み合わせるだけで、カンタンにかっこよく完成させることができます。
なぜなら、もともと模型キットというのは、実物を模型として作りやすくするためにスケールダウンしています。
それを流用して横山先生が原型を製作されているため、スケール表記は1/20ですが、実際の作業は1/1となるためです。
一員は、近代のMa.kキットから、日東S.F.3.Dの旧キット、フルレジンキットまで製作した経験があります。
なので、この記事では初めて模型を作ろう志す方からガレージキットに挑戦したいというモデラーの方に向けて、
ステップごとに写真と図解で模型テクニックを網羅的に紹介していきます。
最もオーソドックスなwaveのS.A.F.Sをレジン製パーツを使って改造していく過程をまとめました。
この記事を読むことで、
求められるテクニック、発展的なテクニック、あると便利な道具まで体型的にわかります。
結論としては
初歩的な模型テクニックのみで工作は完成するし、
工作の順序もめちゃくちゃでOK いつでも後戻りできるし飛ばすこともできる。
時間がないモデラーでも1日1時間ほど少しずづ積み重ねて完成させることができます。
目次
ランナーからの切り離しとゲート処理について
ランナーと呼ばれるプラスチックのフレームからパーツを切り出していきます。
組み立て説明書どおりの番号を切り取っていけばOKです。
そのとき、プラスチックニッパーで切り離していきます。
高級ニッパーじゃなくても、入門モデルのニッパーで十分ことたります。
ちなみに写真の切り取るところをゲートと呼びます。
ニッパーで切るとゲートの跡が残ります。これをスポンジヤスリで削り平にします。
使うのは240番の神ヤスがおすすめです。
結局このゲートの跡の処理が高級ニッパーで切り取ったとしてもほんのり残ってしまいます。
なのでどうせヤスリの工程があるんだったら、
って思ってるからです。
プラモデル入門書などでは400,600,1000と目を細かくしてヤスリがけをする なんて書かれていますが必要ありません。
塗装をせずに完成させる無塗装では、番手を上げてキレイに表面をやすることでゲート跡が目立たなくなりますが、
マシーネンクリーガーの醍醐味は無塗装ではなくズボリ「塗装」です。
塗装を密着させるためや、工作でできた細かいキズを潰すための下地としてサーフェイサーを吹くんですが、
表面の粗さは最後に吹くサーフェイサーの番手になります。
なので、目を細かくしてヤスリがけをするのは時間の無駄となります。
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パーティングラインとは
切り取ったパーツを見ると、うっすらスジが見えると思います。
これがいわいるパーティングラインと呼ばれるもので、プラスチックを成形するときに発生する凸状の線です。
これを古いデザインナイフをカンナがけの要領で削り取ります。
あくまでピンポイントだけ削れれば良いので、ヤスリよりもデザインナイフを使うと便利です。
刃が新しいものでもできますが、刃の切削性がガクンと落ちるので、使い古した刃を使うと良いです。
アンダーゲートとは
新しいマシーネンクリーガーのキットはアンダーゲートと呼ばれる手法で、プラスチック成形をしています。
ようはゲートが組み立て面に対して垂直にでるように作られています。
これを平らにすると、バッチリとパーツ同士を組み立てることができます。
デザインナイフの使い方
デザインナイフでこのちょぴっと出てるゲート跡をキレイに切削していきます。
ポイントは、一度でやろうと思わないことです。
一度でキレイにしようとすると、チカラがかかってしまい、パーツをえぐってしまいます。
最低3回はナイフを入れる必要があります。
図のようにナイフを3回に分けて入れていけば、
ムリなチカラがかからずにキレイにゲート跡を処理することができます。
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パーツの組み立てについて
パーツの組み立てのときにこのピンと呼ばれる棒を斜めに切っておくのがおすすめです。
この棒のところを切っておくことで、パーツを引き離さないといけなくなった時に、
チカラをあんまり入れなくても引き離すことができます。
説明書通りに作ってるはずが、組み込み忘れなどの見落としがあったときに、パーツを壊さずに分解できるためです。
そのため、リカバリーにようする時間が短縮されるためトータルの作業時間を減らすことができます。
長い目で見れば、積みプラモを減らすことができます。
合わせ目消しのやりかた
おおまなか流れはこんな感じです。
文章量が多くなったので別記事に詳細はまとめています。
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脱初級鉛玉を足に詰め込んで安定感をアップさせよう
この工作は少し応用テクニックです。
ストレートにS.A.F.Sを組む場合は不要のテクニックですが、レジンキットを組み込む場合はやったほうが安定します。
レジンキットは中身が詰まっているため重く重心が上がってしまい、立たせる時に不安定になってしまうためです。
鉛玉は2mmのものを使っています。東急ハンズにこっそり売られていました。
合わせ目消しの前に鉛玉を入れることで、底にも詰め込むことができて重心をより下げることができました。
穴あけ加工
このテクニックは組み立てる上で必須テクニックとなりますが、めちゃくちゃカンタンです。
ポイントはたった1つです。
それは横着せずに少しづつ太いドリルを使って拡大していくことです。
けがき針での下穴開けは、だいたいのところに打ち込んでもOKです。
もともとプラには円形に窪みがあるので、ドリルはそれをガイドに穴を空けることができます。
またピンバイスはのクレオスのもがオススメです、
なんといってもドリルを付け替える必要がなく作業がスムーズに進みます。
ケーブルの取り付け
マシーネンクリーガーでは、関節部にケーブルを仕込みます。
このケーブルの曲線がロボットにリアルな印象を与えています。
ケーブル工作はやってみるとめちゃくちゃカンタンで、
前述の穴あけ加工にプラスアルファするだけです。
穴を開けてからケーブルを突っ込んで、瞬間接着剤で固定するだけです。
まずは穴を空けるためのケガキからです。
ど真ん中に開けようとすると緊張しますが、
肩の力を抜いてだいたい真ん中に打てれば良いやくらいの脱力感でけがき針を刺すといいでしょう。
ケガいたあとは、刺すケーブルよりも少し大きめの穴をドリルで開けていきます。
少し大きいサイズにすることで、無理なくケーブルが入るためです。
また、その隙間に瞬間接着剤が流れ込んでくれるため、ガッチリ固定することができます。
そのため、一員はドリルは0.1mm刻みのものを0.5mmから1.9mmまでゴットハンドのもので揃えてます。
ピンバイスに装着するのがメンドクサイので、このビットだけを掴んでクルクル回して穴を開けています。
実際に片側に取り付けてみて、長さを確認して調整します。
瞬間接着剤は低粘度タイプがおすすめです。
サラサラしているので隙間に入り込んでくれてガッチリ固定することができます。
S.A.F.Sのハッチオープンタイプを作るなら、ケーブルを追加するとなおかっちょいいです。
稼働するところなので、電話線みたいにクルクルしたものを取り付けてみました。
マシーネンクリーガーの世界はすべての兵器が量産機であり、さらに現地改修が頻繁に繰り返されているため
細かな設定資料に囚われずに自由にデザインすることができるのでめちゃくちゃ楽しいです。
一員もオリジナル機を作るのは苦手なタイプなのですが、
この世界観に背中を押されてオリジナルバリエーション機を作ってみました。
この写真はS.A.F.Sの寒冷地仕様であるスノーマンとオリジナルバリエーション機のスノーボールの足元の写真です。
ケーブルの取り付け位置を替えてみたり、パワーパイプを太いものにしてみたりと色々遊ぶことができました。
もっと写真を見たい方はこちら
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脱初級スプリングの取り付け
キットにはABS製のパイプのパーツが入っていますので、この工作はディテールアップの応用編となります。
キットのパーツであれば理想的な曲線で仕上げることができます。
旧キットの日東やガレージキットでは金属スプリングを取り付ける必要があります。
詳細はこちらです
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脱初級レジン改造パーツにチャレンジしよう
S.A.F.Sのポピュラーなレジン改造パーツとして、殻割りがあります。
ブリックワークスさんから定期的に発売されている「S.A.F.S./ラプター内装パーツ」です。
レジンパーツなのに手に入りやすく、モデラーとして大きくレベルアップできるような代物でめちゃオススメです。
めちゃめちゃカンタンに説明すると
接着するときは瞬間接着剤を使えばOKってことだけで、あとは何もプラモのパーツと変わりません。
チャレンジしてみたいなって方は下記の記事にステップ・バイ・ステップでまとめているので是非見てみてください。
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最後はサーフェイサーを吹いて
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サーフェイサーを吹くことのメリット改めて説明すると
工作工程のメリット
- 小さなキズを埋める
- パーティングラインのやり残しに気付ける
- グレイ一色にすることで凹凸がわかり修正できる
塗装工程のメリット
- 塗装の食いつきがアップする
- 色味の異なるパーツをモノトーンに統一することができる
マシーネンクリーガーは塗装楽しむキットなので、このサーフェイサーの工程は必須です。
普段使っているサーフェイサーは、タミヤのスーパーサーフェイサーとクレオスのミスターサーフェイサー500番です。
レジン改造をしない場合は、
粒子が荒くキズを埋めてくれやすいミスターサーフェイサー500番を使って
レジン改造をしている場合は、
プライマー入りで食いつきが良いスーパーサーフェイサーを使っています。
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キレイに作らないほうがかっこいい
サーフェイサーを吹いたあとに、凹凸を確認してヤスリで削ったり、パテを盛ったりする工程をサフチェックと呼びます。
基本的に1発でうまくいくことは絶無なので、2,3回サフチェックをする気持ちで望むと良いです。
ただし、そもそもマシーネンクリーガーはそこまでキレイに作る必要がありません。
これは作者の横山先生もおっしゃってることですが、
キレイに作ってから汚すのではなく、汚く作りながらキレイにしていくという。
ご信託をわれわれ迷えて震える子羊モデラーに授けてくださっています。
さらにどの作業工程も順番なんて気にせずに
1歩戻ったり、4歩飛ばししたり順番ぐちゃぐちゃで作って良いとも教えてくださってます。
なので一員は合わせ目消しを待っている間に下地塗装して、塗装ごと合わせ目消しをカンナがけしたり
サフチェックして見つけたキズの周辺にラッカーパテを汚れのようにこすりつけて塗装前にウェザリングしたり
そういう模型本の順番を守らないような順番で作ることが積層されていき
換装されて新しい武装になってるさまとか、
現地で再塗装された迷彩になったさまとか
などの表現になるんだと信じています。
ここまで、あるていど手順通りにマシーネンクリーガーに必要な工作テクニックをまとめてきましたが、
結論としては、自由に肩の力を抜いて作るんが一番カッコいい完成品になるってことです。
なので、仕事で疲れて帰ってきても毎晩1時間でも模型を作っていればあっというま完成しています。